アラサー女。はじめての「肛門科」訪問記。
血便が2ヶ月近く続いたため、意を決して肛門科の門を叩いた。結果的に、潰瘍性大腸炎という腸の疾患だったので、胃腸科などで良かったのだが、血便=痔=肛門科のイメージが強すぎて、当時の私は「受診するなら肛門科!」の1択になってしまっていた。
アラサー女、人生初の肛門科!
6月、東京は緊急事態宣言が解除された直後だったので、公共交通機関などは使わず徒歩圏内にある肛門科に行くことに。ホームページのない老舗医院だったので、雰囲気も診療方針もわからず不安だったが、Googleの口コミで「女医さんが親切」と書いてあったので、電話で休診日でないかを確認し、来院した。
2時間かかったトラウマになった診察(ただの愚痴)
検温し、症状も聞かれぬまま、いきなり尿検査。紙コップに尿を入れて、そのまま提出するスタイルで少し恥ずかしかった。こちらの気恥ずかしさなど露知らず、待合室でベテラン風の看護師の方に症状を聞かれたのだが、「体重は?お通じの回数は?便はどんな状態?何色?」など、待合室で周りに人がいる中、大声で聞かれ、帰りたくなった。すぐに呼ばれ診察。かと思いきや血圧と身体測定。口コミを見て、女医さんが診てくれるものかと思っていたが、その日は居なかったようで、70代半ばと思われる男の先生が診てくれた。その後、問診があり、ベッドに案内され、腹部の触診。パンツを脱ぎ、側臥位(横向きに寝る体勢)で履いていたスカートをめくってお尻を診察してもらう。見ていないので想像だが、ジェルで滑りを良くし、金属っぽいものを何度か突っ込まれ、グリグリされる感じ。仕方ないが、痛い!ものすごく不快!よく見えなかったようで、最終的に腹ばいでスフィンクスのようなポーズをとり、終了。ここまで所要1時間半。最後に、別のベッドに移動して、横になっての採血。採血後、呼びに来るまでベッドの上で安静にしているよう言われ、じっとしていたのだが...。「痛い~!ぎゃーーー」と泣き叫ぶ患者が薄いカーテンを仕切った私の隣のベッドに来て、ずっとその叫び声を聞き続けることに。何の病気か不明だが、あんなに泣き叫ぶ大人の声を初めて聞いたので、すごく気落ちし、帰ってからもその声が耳を離れなかった。20分ほど経っても呼びに来てもらえなかったので、起き上がって受付に行ったら、「あ、まだ居たんだ」みたいな顔をされた。「内痔核を認める」とのことで、薬をもらい帰宅。先生は親切だったけど、2本指のタイピングで電子カルテを入力してる時間が盛らずに40分はあったと思うし、痔って地味に落ち込んだし、すごく疲れた。
ただでさえハードルの高かった肛門科だが、診察費も5,400円と高かった(薬代込み)。採血の結果を聞きに行くことはないだろう。女性にとって肛門科はハードルが高いんだからもっと配慮してほしかった!や、女医さんが良かった!等は私のわがままや調査不足なので文句は言えないが、他の患者のカルテが診察中丸見えだったり、ベッドの横がホコりまみれだったり、この病院が苦手だった。
そんなわけで、処方された薬を1週間使ったのだが下血は改善されず、7月中旬に別の肛門科(胃腸内科を併設)を受診し、内視鏡検査を受けた末、潰瘍性大腸炎と診断されたのだった。2度目の肛門科談はまた別の記事に。
本日、正式に「潰瘍性大腸炎」と診断されました。
大腸内視鏡検査から1週間とちょっと。検査結果が出たと病院から連絡をもらったので、仕事をこっそり抜けて、確認に行ってきた。案の定「潰瘍性大腸炎」とのこと。これまでの症状を鑑みて、もしかしたら違うかもしれない....!なんて考えは微塵も無かったので、驚きは無かった。
炎症は直腸とS状結腸周辺で見られ、ところどころ膿もあるが、深い潰瘍は見られない。むくみやびらんがあるものの、軽症~中等症だろうとのこと。排便回数や便の様態、その他の症状の問診があり、腹痛箇所の触診があって、薬を処方された。
「1日1回、大粒の薬と4錠と、1日3回、小粒の錠剤を3錠、どちらが良いですか?」
と聞かれたので、迷わず前者を選択。ネイチャーメイドのマルチビタミン&ミネラルで大粒の錠剤は慣れていたし、1日1錠の方が飲み忘れリスクが低いと感じた。そうして「リアルダ1200mg」が取り急ぎこの先2週間の私のパートナーとなった。
まずは、2週間この薬で様子を見てみましょうとのこと。普段飲んでいる鉄分のサプリなどは継続して大丈夫だろうとのこと。妊娠のこと等、今後の展望について聞くつもりだったが、病院も混んでいたし、疲れていたので早々に退散した。
診察料:580円
その後、処方箋薬局にて初めて「リアルダ1200mg(一般名:メサラジン腸溶錠1200mg)」と対面。想像していたより大きい!!!お腹たまりそう。
「リアルダ1200mg」・・・腸の炎症を抑え、組織の障害を改善する薬。有害な活性酸素を消去し、炎症の広がりを抑える。
通常、成人にはメサラジンとして1日1回2,400mgを食後経口投与する。活動期は、通常、成人にはメサラジンとして1日1回4,800mgを食後経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。1日4,800mgを投与する場合は、投与開始8週間を目安に有効性を評価し、漫然と継続しないこと。
気になったのが副作用で、
お腹が張る、頭痛、貧血、腹痛、下痢、発熱、潰瘍性大腸炎の悪化
って。合わなかったらなかなか辛いやつ。
引き続きお腹の調子が悪いので、腸内環境を整える「ミヤBM錠」併せて処方してもらった。どちらの薬にも後発品は無いとのこと。
各15日分処方してもらい、会計が4,480円。月1万円弱か、結構するなあ。。でも薬で症状が治まるなら、ありがたい限り!!不調な日が続き、同居人の旦那には心配や不便をかけているし、本当に申し訳ないなと感じる。自分は淡々と受け止めたが、仮に旦那が「難病」診断されたらめっちゃ焦るだろうし、不安になると思う。まあ、ぼやいても仕方がないので、寛解期目指して、大人しく過ごします。
今の症状:きりきり痛む腹痛、下血、軟便、不定期の微熱、だるさ
アラサーの大腸内視鏡検査 下剤が辛くなかった前日の食事内容
28歳女、2020年7月。潰瘍性大腸炎の疑いで、内視鏡検査を受けた。口から入れる胃カメラではなく、ケツから入れる大腸の内視鏡検査である。
検査に向けて、腸管の内容物を排除する必要があるため、前日から食事制限が必要となる。制限は1日のみなのでストレスは少ないが、食べて良いものが少なく、驚いた。
避けるべき食品
- 種のある果物、野菜
- 繊維の多い食べ物
- 葉のある野菜
- 乳製品
- 魚介類(脂の少ない白身魚はOK)
- 脂の多い肉、ホルモン、ソーセージ
- キノコ類
- 豆類
- ナッツ類
- 揚げ物
- そば、パスタ、はるさめ、ラーメン、玄米、雑穀米
- その他:こんにゃく、ごま、おから、漬物、青汁
もうほとんどの食べ物がNGじゃないかと思うが、腸の中に消化されない食べ物が残っていると、観察不良で検査が無意味になってしまうため、気を付けるに越したことはない。普段、お通じに良いとされる「食物繊維の多い野菜や果物の皮、ゴマ」などは大腸内に必ず残ってしまうそうだ。病院によっては検査の2~3日前から、キノコ類や粒や種のある物、トマトなど植物性の皮を食べないよう注意喚起しているところもあった。
病院でもらったおすすめ献立
<朝食>
食パン、ポタージュスープ(具なし)、バナナ、ヨーグルト(プレーン)
<昼食>
素うどん、卵焼き(具なし)
<おやつ>
プリン、りんご(皮・種なし)
<夕食>
雑炊、みそ汁(具なし)、焼き魚(皮なし)、豆腐(薬味なし)
その他、
<具なし>
茶碗蒸し、蒸しパン、ポテトサラダ、クラッカー、ゼリー もOKだそう。
上記おすすめメニューにヨーグルトが入っていたが、ウェブ上にはヨーグルトをNG食に挙げている医院もあり、私は食べるのを諦めた。ちょっとずつNGフードの選定が異なるものの、色んな医院がそれぞれのおすすめメニューを掲載しているので、面白かった。
私が食べたもの★
<朝食>
カステラ、たまご豆腐、だしスープ(具なし)
<昼食>
素うどん、はんぺん
<おやつ>
プリン
<夕食>
雑炊(梅味)、たまご豆腐
+多めの水分(水1.5リットルくらい)
センスも栄養も無い。体調が芳しくない上に、NGフードを含まない献立を考えるのが面倒でこのような内容になってしまったが、改めて文字に起こすと、目を背けたくなるチョイスだ。ただ、摂取する固形物が少ないほうが下剤で排泄する際に、楽だそうで、実際に驚くほど下剤による腹痛や辛さがなかった。これから年に1度内視鏡検査を受ける習慣が始まるので、次回も似た献立で臨みたいと思っている。ちなみに、食事を摂るのが面倒でも、食べないと便が作れず、下剤の効果に影響するそうなので頑張って食べなければならない。
検査前日専用のレトルト食事キットがアマゾンなどで購入できるが、3食セット1,500円程するので、ケチな私は買えなかった。
↓普通に美味しそうなグリコの大腸検査食「エニマクリン」
夕食は午後7時までに済ませ、午後9時に液体の下剤を服用し、就寝した。さすがに食べた量が少なく、朝起きたとき、驚くほど空腹だった。しかし、検査当日の朝に飲む、腐った海藻の臭いがする2リットルの腸管洗浄剤のおかげで、この空腹は一瞬にして吹き飛ぶことになる。検査当日のことは別の記事にまとめようと思う。
潰瘍性大腸炎についての本を図書館で借りて読んでみた
潰瘍性大腸炎と診断されることが確実なので、「潰瘍性大腸炎・クローン病がよくわかる本」(講談社、渡辺守監修)を読んでみた。
潰瘍性大腸炎とは、
大腸粘膜に炎症が起き、下痢や腹痛、血便、発熱、貧血、体重減少などの症状が現れる、原因不明で決定的な治療法のない腸疾患である。治療によって状態が改善しても、治療をやめれば再燃する可能性が高く、基本的にはずっと治療を続ける必要がある=完治しない。症状には波があり、炎症が酷くなる活動期と鎮まる寛解期があり、寛解期を長く保つことが治療目的となる。
国が定めた「指定難病」に含まれ、重症度が高いと医療費助成の対象となる。「難病」と聞くと身構えてしまうが、多くが軽症で、服薬のみでコントロール可能。人工肛門になる例はまれ。寛解期であれば、生活上制限すべきことは特になく、ごく普通の送っている人が大半。発症年齢は20~30歳代が最多。患者数はここ30年で10倍に以上に増えている。
女性の潰瘍性大腸炎の最多発症年齢は25歳~29歳
→わたしやん。
炎症や腫瘍などの病変は見られないものの腸に不調が起こる機能性腸疾患に、過敏性腸症候群がある。過敏性腸症候群の患者が炎症性腸疾患に移行するリスクは、健康な人に比べると9倍とも16倍とも言われている。
→受診したことはないが、振り返ると中学生の頃から過敏性腸症候群と思われる症状があった。わたしやん。
腸が炎症が生じる疾患を「炎症性腸疾患」と呼ぶ。そのうち原因が明らかで、症状が一時的なものが感染性腸炎や虚血性大腸炎などである。他方、原因不明で炎症が続くものが潰瘍性大腸炎やクローン病である。
→3年ほど前に感染性腸炎にり患し、3~4日苦しんだことがある。短期間で治癒したが、症状の辛さ・重さは断然、今(潰瘍性大腸炎)を上回っていたように思う。
普通に暮らしていくためには、病状が安定している間も治療をおろそかにしないことが大切。1~2ヵ月ごとの通院、毎日の服薬、年1回の内視鏡検査が必要である。
→通院の目安頻度等はネットでもあまり出回っていないように思ったので、参考になった。今はきちんと前向きに治療の意思があっても、安定すると通院しなくなりそうな、ずぼらな自分。
潰瘍性大腸炎の病状変化は食事内容とあまり関係がない。激しい下痢が続く時期でなければ、あれこれ制限せず、普通の食事をしっかり食べることが大切。また、ほどほどの量を守れるのであれば禁酒の必要なし。
→会社に病気だとバレずに生活していきたいので、普段通り過ごせるのは大変ありがたい。
妊娠出産は可能だが、月経不順になることがあり、妊娠しにくくなる可能性がある。病勢が強いと流産、早産のリスクが高まることも。妊娠中も治療は続ける。寛解期なら妊娠が病状に悪影響を与えることはない。また、赤ちゃんに遺伝する病気ではない。
→子供が欲しいので、1番気になったいた内容。とりあえずは、妊娠可能で、遺伝もないとのことで安心した。まず、今の症状から自分が活動期なのか寛解期なのかさえわからないので現状把握が必要。計画的な行動が必要なようなので、病院で相談してみようと思った。
大丈夫!きちんと治療すれば普通に暮らせる
→そんな気がしてきた!
本を読んで、病院で相談したい内容が見えてきた
- 現在の重症度(活動期?寛解期?)
- 事例豊富な大学病院で診てもらうメリットは(治らない病なのだから、メリットが少なければ地元の医院に通い続けたい..)
- 食事療法は不要らしいが、避けるべき食材はあるか
- どのくらいのペースで通院が必要か
- 年間の治療費の目安
- 服薬することで、免疫力が落ち、他の病気にかかりやすくなる等の心配はあるか
- 避けるべき薬の飲み合わせ(主にサプリメント、鎮痛薬、下痢止め)
- 妊活を始められそうなタイミングはいつか
本当は、今日正式な検査結果を聞きに行く予定だったが、検査結果がまだ病院に届いていないらしく延期に。早く薬が欲しい。。
28歳、女、会社員。指定難病「潰瘍性大腸炎」と診断されるまで
- 下血(血便)
- 便に膿が混ざる
- 軟便、下痢
- 微熱(37.2度程度が週2~3回ほど)
- 腹痛(腸にチクチクするような痛み)
- 食欲不振
- 体重減少(46→44kg)
- 立ちくらみ
- だるさ(仕事は気合いで何とかするも、休日はベッドの上から起きられず)
- 寝ても寝ても眠い(たっぷり昼寝しても夜普通に眠れる)
- 突発性難聴
- 足の付け根に10円玉サイズのしこり
- 過度なイライラ
- ゲップが異常に出る(3日間程度)
- 生理不順